2017年8月、9月に立て続けに北朝鮮からミサイルが発射され日本上空を通過しましたが、破壊措置はありませんでした。
これに対して、一部の方からは本当はミサイルを迎撃できないんじゃないかという声も上がっていますが、本当に迎撃できないのでしょうか?
今回はそれと現在の日本のミサイル防衛の弱点について紹介していきます!
拡大する北朝鮮の核開発
2017年8月29日に北朝鮮からICBMが発射されJアラートと国民保護サイレンが鳴りましたね。
さらにその数日後には地下核実験を行いマグニチュード6.3の揺れが観測されました。
調査によると今回の核の威力は160キロトンほど。
広島原爆(リトルボーイ)の威力が15キロトンなので約10倍の破壊力となっており、すでに水爆と言えるところまで完成しているとのことです。
まだ、この威力の核爆弾を弾道ミサイルに積める技術はありませんが、それも時間の問題。
ICBM(大陸弾道ミサイル)も開発された今、アメリカも北朝鮮を無視できない状況になっています。
北朝鮮のミサイルは撃ち落とすことができない?
現在、日本に配備されているミサイル迎撃装置は2種類あります。
地上に配備されているPAC3とイージス艦に搭載されているSM-3ブロック1Aです。
PAC3は現在日本では17部隊15箇所に設置しており、防衛範囲は20~30km、迎撃高度は最大で15km。
私達が肉眼で観察できる旅客機の巡回高度が高度10kmなのでもしPAC3で迎撃しなければならなくなった時はミサイルが肉眼で観察できるだろうと言われています。(怖っ!)
なのでPAC3は本当に最後の砦ですね。
イージス艦搭載のSM-3ブロック1Aはミサイルを日本海で撃ち落とすために作られた迎撃ミサイルで射程は1200km、迎撃高度は最大で500kmにも及びます。
しかし、9月15日に北朝鮮から発射されたミサイルは最大高度が800kmとSM-3ブロック1Aをもってしても迎撃不可能な高度でしたので仮にICBMが日本に飛んできた場合は現状では迎撃は難しいと思われます。(この問題に関してはまもなく解決予定。理由は後述)
ただ、ICBM自体対アメリカを想定して作られたとても高価で貴重なので日本に落とす可能性は低いと考えられます。
もし、本当に北朝鮮が日本を攻撃するつもりならおそらくテポドンやノドンといった既存の中距離弾道ミサイルを撃ってくるはずだと思われます。
現時点での日本の弱点
イージス艦の数が足りない
現在、日本にはミサイル迎撃が可能なイージス艦が4隻あります。
しかし、整備の関係で常に半分はドックや港に収容されているので実質使えるイージス艦は2隻となります。
北朝鮮の情勢から日本海にイージス艦を2隻配置したいところなのですが、そうすると太平洋方面の守りがなくなってしまうので日本海には1隻しか配置できません。
いずれはミサイル迎撃対応可能なイージス艦を倍の8隻に増やす予定のことですが、当分先になるとのことです。
イージス艦1隻で2千億円以上かかるので仕方はないのですが早く配備できることを願います。
PAC3では不十分(まもなく解決)
先ほど紹介したPAC3は迎撃高度が最高でわずか15kmほどしかありません。
これだと仮にミサイルを迎撃できたとしても破片が飛び散ったり、放射性物質が拡散する恐れがあります。
そこで現在、政府が導入を決定したのが陸上型イージス艦『イージス・アショア』です!(かっこいい!)
イージス・アショアは写真のように陸上に固定されるイージス艦のようなものでこちらも迎撃ミサイルSM-3を撃つことができます。
一基700~800億円とイージス艦よりも低コストで作れさらに24時間体制で弾道ミサイルを警戒しているイージス艦の負担を減らせるというメリットがあります。
2、3基あれば日本をカバーできると考えられており、この度日本海に面した陸上自衛隊の駐屯地でイージス・アショアが配備されることが決まりました!
対ICBM用の迎撃ミサイルがない(まもなく解決)
先ほど紹介したSM-3ブロック1Aは迎撃高度は500kmと800km以上の高度で飛ぶICBMを撃ち落とすのは難しいです。
しかし、このSM-3も改良が続けられており2017年にSM-3ブロック2Aの開発が成功しました。
SM-3ブロック2Aは射程が2000km、迎撃高度が1000kmとブロック1Aよりも性能が倍になっておりICBMを撃ち落とすことも可能だと思われます。
日本のイージス艦、イージス・アショアにも遠からず配備予定。
北朝鮮のICBMは確かに脅威ですが、日本の軍事もそれに対応してきています。
戦争は嫌ですが、自国を守るためにも軍事力は大事だと管理人は思っています。